社長の日記

2018年3月 5日

心の砂時計(S.Y)

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最近、遠藤周作のエッセー集「心の砂時計」を読んだ。産経新聞に198910月~199110月までの連載を1冊にまとめたものである。278年前の世相や心象を書いている。時代的にはバブル絶頂期から崩壊まで。

 

世相批判や日ごろ気になっている事、役所や世の人々への注文等々、時に厳しい目で、そして優しい目で、ウィットに富んだ語り口は落語好きを彷彿させる。

 

時代を反映したものとしては、「ルノアール私蔵の是非」「金を使うにも才覚」「経済は一流、礼儀は三流」等、エコノミックアニマルと言われた当時を思い出す。単に批判するだけではなく提案もしているのが批評家と違うところ。

 

外国も日本と同じように安全だと思う無知は今でも変わらない「無防備すぎるお嬢さんの旅」「外国の夜は東京の夜ならず」嘆きつつ警告を発している。

 

変わらないものは他にもある。「遊び場を失った子供たち」セクハラ行為とかいじめの問題は当時からあったことが分かる。「改善しなくてはならぬ看護婦の6K」今では介護士も含まれる。

 

改善されたこともある。「救急車に医者が乗らない不思議」今はいくらか改善され、医療行為のできる救急救命士が乗ることになったり、ドクターカーも整備されるようになった。

 

改善されたとは言えないが「今こそ「庁」を「省」に昇格させる時」に於いて出てくる科学技術庁、環境庁、文化庁。

科学技術庁は2001年の中央省庁再編成により廃止され、その業務は内閣府や、文部科学省などに引き継がれた。

 

環境庁は同じく省庁再編成により環境省に昇格した。文化庁は文部科学省の外局は変わらないが、最近京都府警の建物にその一部が移転すると言われている。遠藤周作の思いは環境省についてだけ届いたようだ。

 

身につまされるエッセーの一つが、「女房よ長生きして」である。奥さんをご主人が介護をしている老夫婦を、テレビでも実際にも見られての心象を書かれたものだが、老いてから女房に逝かれたり、要介護になられることは男にとっての最大の悲劇ではなかろうか。




コメント(1)

同感です。文豪ほど、気取らないところがいい。夫婦の意見の違いも、何気なく。

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